2016-09-05 00:00:00.0
不動産私募ファンド市場規模、4年ぶりに拡大し約15兆5,000億円に/三井住友トラスト基礎研究所調査
(株)三井住友トラスト基礎研究所は2日、「不動産私募ファンドに関する実態調査」結果を発表した。国内不動産を対象に不動産私募ファンドを組成・運用している不動産運用会社にアンケート。調査時期は2016年7〜8月。有効回答数は54社。
16年6月末時点での市場規模は、運用資産額ベースで約15兆5,000億円(15年12月末時点より4.4%増)と推計。13年1月調査以降減少傾向にあったが、4年ぶりに増加に転じた。運用資産額が増加した運用会社数は、減少した運用会社を大きく上回った。ここ数年、外資系を中心に物件売却を進めてきた動きが一服し、積極的な物件取得活動により取得が売却を上回り、資産規模が増加した運用会社が多いと分析している。
デット資金の調達環境については「非常に緩い」(25%)、「緩い」(58%)との回答割合が前回調査よりもやや増加し、計83%と依然として高い。16年1月の日本銀行によるマイナス金利政策導入後初めての調査となったが、ここ数年は良好な調達環境が継続しているため、さらなる緩和は見込みにくい状況にあるものと考えられるとした。
16年1〜6月における物件取得実績の調査では、「取得した」との回答が67%に。物件取得に至らなかった理由は、「価格目線が合わなかった」「入札における競合が激しかった」の合計で72%を占めた。売却実績では「売却した」と「売却しなかった」が同数に。売却を行なわなかった理由として大多数が「当初から売却予定はなかった」を挙げている。
今後投資に注力していきたい物件タイプについては「オフィス」「商業施設」に次ぎ「ホテル」と回答する割合が多かった。注力していきたいエリアについては、「東京都心5区」が24%で最多となっており、各エリアへの回答割合は前回調査よりほとんど変化が見られなかった。